「その会議は美しい」とされた日産の会議。
その美しさは、「機能美」から来るものだという。
「無駄なく・洗練され・端正」であること。
人と人との関わりあいの中で行われる「会議」の中にも、機能美の美しさを感じさせるとはどういうことだろうか。
まとめてみた。
「日産の会議」で使われる11のツール
・会議で浮かんだアイデアはつねにポストイット(付箋)に書いて貼り出していく。
・ホワイトボードに議論の内容を視覚化する。
・発言者はあえて書かない。
・話しあおうとしている課題が何なのかを明らかにする。
・現状の値や目標の値、課題解決のプロセスにおける役割の明文化。
・会議前に共有。
・何時何分までにどの段階まで会議が進むか、タイムラインを作る。
・各段階における作業の目的。活動内容も明確にする。
・ひとつの問題を原点にして、そこから「なぜ」「なぜ」と原因を深めていく。
・問題に対する原因の系統を視覚化して整理する。
・アイデアをポストイットに書き出して貼り付け、関連するものにまとめて見出しをつける。
・アイデア整理に有効。
・課題解決のための方策案を「実現性」と「実効性」の2軸のマトリクス上にプロットする。
・優先順位を客観的かつ公平的に決める。
・出された方策を、「何を」「誰が」「いつまでに」行うかを明確にする。
・その方策案を採用するかどうかは、意思決定者が「Go/No Go」欄に丸をして決定。
・会議で各種ツールを使って視覚化された内容を最後にデジカメで撮影。
・この画像そのものが議事録になり、それをメールで送信し共有化。
・横軸に工程の各作業を。
・縦軸に作業の担当部署名を。
・工程がどのように進んでいくかを図示。
・来客者のうち商品の購入まで至らなかった人々の動向に着目。
・どの段階で購入しない選択をしたのか、その人数をカウントして”漏れ”の分析をする。
・客が商品を購入するまでに至るまでの段階を図にし、各段階をすぼめないための方策を考える。
・「認知」「理解」「好意」「購入意向」「購入」「再購入」
グラウンドルール 「日産の会議」を貫く会議の”憲法”
・予定外の議題を持ち出さない
・ポジションパワーを使わない
・積極的に「聴く」「話す」「書く」「行動する」
・時間厳守
・「いかに〜するか」など建設的な表現活用
・携帯電話はマナーモードに
・安全なシェルター
1日集中討議 その日にはじまり、その日に結論を出す!
結論持ち越しは3つのデメリット
1)非効率である
その日のうちに結論を出して方策を実施しないとうことは、結果的に、方策の効果が出始めるまでに時間がかかり、得られるはずの実施効果が得られなくなってしまいます。
2)環境変化により会議の意義が弱まる
初回の会議で手を打っておけば解決できていたはずだったのに、会議が長引いているうちに会議の対象とする事柄がどんどん変化していき、気がつけば「いったい、私たちはなんのための会議をしているのか」といった状況に陥ることになる。
3)モチベーションが下がる
結論が出るはずの会議で結論が出ないと、マネジメントに対する不信感が生まれます。ゴールを目指してきたことに対する、裏切られ感、さらにいうと挫折感、絶望感が起きてしまいます。
結論を出すための構造化 3つのポイント
1)会議自体を1日で結論を出す設定にしてしまう
人は、時間があればあるほど、いろいろなことを考えるものです。でも、”明確に限られた時間に結論を出す”というタスクを与えられると、枝葉を落とし、余計な議論を省いて、本質的な議論をするものです。
2)周到に準備する
・課題定義書ー「課題名」「課題の背景と目的」「目標」「期限」「前提条件」
・課題に対して、どのように議論を進めれば時間内に求められている提案が出せるか、会議の進行役となる人物が具体的に考えていきます。
3)会議本番での進行の無駄をなくすためのツール
・系統図
1つの問題点を原点に「なぜ」「なぜ」と原因を深めていくことによりできるツリー構造の図。
・ブレインストーミングと親和図
会議の参加者たちが思いのままにアイデアを出し合う作業。
アイデア整理のためには「親和図」の手法が使われる。「この人のアイデアとこの人のアイデアは1まとめにできる」といったように、関連するアイデアをグループ化していく。
意思決定者は会議に出席しない! 結論の出し方
・意思決定者が会議に参加するデメリット
意思決定者が会議の途中で発言をすると、その発言が提案にバイアスをかけてしまう。
意思決定者は、職位が上の人で、ポジションが上であればあるほど課題の範囲を広げてしまう。
・意思決定者が退席するメリット
意思決定者を長時間、拘束することがなくなる。意思決定者は忙しい。自分は会議以外のことに専念するほうが、仕事の費用対効果が大きくなることもある。